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2025 FIL D’OR

Architecture

「フランス料理と自然派ワインの小さなレストラン」を掲げる「FIL D’OR(フィルドール)」は、オーナーシェフ・田川真澄さんが 2017 年に故郷・金沢で開いた一軒。フランス、モントリオール、ニューヨークでの研鑽を経られて、地元食材を活かしたセンス溢れるフュージョン料理を提供されてきました。
店名の『FIL D’OR(フィルドール)』は“金の糸”という意味のフランス語です。“金の糸”は人と人、モノとモノの繋がりを大切にしたいという田川シェフの想いも込められています。この最も大事な哲学を、店名だけではなく、空間全体を構成するエレメントとして、さらには金沢の風土を表象する「雨」「氷柱」「木虫籠」「雪吊り」を連想させるデザインとして、議論を重ねながらブラッシュアップさせていきました。金沢の事象を想起させる約 3 万本のアースカラーの糸が天井から吊るされ、空間全体は店舗近くにある「長町武家屋敷」土塀の近似色で纏めました。町家建築の奥域あるプランに呼応するランドスケープのような流線形のダイナミズムは金沢特有の曲がりくねる路地へのオマージュであり、FIL D’OR の金色に煌びやかに輝く未来を示唆しています。